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【2024/11/23 13:01 】 |
【小說錄入】デビルサマナー葛葉ライドウ対死人驛使(人物紹介+1-1)
RT。因為這個月死人驛使終於到手了,所以開始之前說好的錄入。暫定是按照章節來發,一節兩千多字這樣,標題里的1-1就是第一章(帝都ヲ歩ク者)的第一節這樣,有需要的可以自取,但是要轉載請先聯繫我。

 デビルサマナー ()()ライドウ
対 
())使()
登場人物紹介
十四代目 葛葉≪くずのは≫ライドウ
本作の主人公。『十四代目葛葉ライドウ』の名を継いだデビルサマナーの少年。
帝都守護の任を命じられている。
身に纏う外套の下には、愛用の刀と銃、そして悪魔を収めるための管を装備する。
『鳴海探偵社』で探偵見習いとして働いており、
帝都各地の様々な情報を入手し、
悪魔絡みの事件があればデビルサマナーとしてその処理に当たる。
なお、帝都にある『弓月の君高等師範学校』の生徒でもある。
鳴海≪なるみ≫
帝都の銀楼閣という名のビルヂングにて、
オカルト事件を専門に扱う「鳴海探偵社」を営む。
明るく飄々としており、
楽しくラクに生きる事をモットーとしている。
実は熱い心の持ち主でもある。
 
朝倉≪あさくら≫タヱ(葵鳥≪きちょう≫)
「鳴海探偵社」に出入する「帝都新報」の記者。
大正の世において、女性である事で差別されるのを嫌う勝気な性格で、
女性の地位向上を目指している。
 

初代 葛葉キョウジ
ヤタガラス機関の「掃除屋」として
帝都守護の暗部を受け持つデビルサマナー。
ひとりの人物を「掃除」するために、その人物が住むビルそのものを破壊してしまうような気質のため
デビルサマナーの間で忌み嫌われた存在である。
 
ドアマース
ライドウの仲魔。ケルト神話では死の国の門を守る犬といわれる。
口では文句を言うが、
尻尾を大振りしていたりするほどライドウを気に入っている。

 
 
 

——帝都ヲ歩ク者



 

土間の畳表≪たたみおもて≫草履≪ぞうり≫に爪先を引っ掛けるや、俵田芙代子≪たわらだ ふよこ≫は、出船の形できちんと揃えられている周囲の履物を蹴散らし、宵闇≪よいやみ≫の道路へと飛び出していた。

「お、お父さまっ」

勢いが余り、大きくつんのめる。

それでも倒れずに、なんとか上半身を引き起こすことができたのは、垣間見た人影が本物であってくれたらと願う——祈る——芙代子の必死さ故≪ゆえ≫だった。

「お父さま?」

草履の裏から舞い上がった土埃≪つちぼこり≫が、黒の和喪服の裾にじゃれつく。

瞬≪まばた≫きが繰り返される瞼≪まぶた≫の下、眼球の水晶体には、瓦斯灯≪ガスとう≫の硫黄≪いおう≫じみた光が映り込むだけだった。何もない。世界はじっとりとした闇に沈んでいる。帝都≪ていと≫といえども、夜はひたすら暗く、繁華街でもないこの辺り≪あたり≫はそれはなおさらのことだ。

歩く人影など、どこにも見当たらない。

「お父さ……」芙代子は、自戒するように項垂≪うなだ≫れた。

呼吸を整えながら首を廻る。

……眼の錯覚も甚≪はなは≫だしい……外を歩いているわけがない。

飛び出して来たばかりの式場の戸口を、その奥に設≪しつら≫えられている豪勢な宮型装飾の祭壇を見やった。

……父親はあそこの柩≪ひつぎ≫の中にいるのだから。

このような立派な祭壇が葬儀に用いられるようになったのは、ごく最近、しかもまだ帝都だけのことであると叔父から聞かされた。芙代子が知っている葬儀とは、柩があり、その枕机に位牌や香炉などごく簡素な祭具が置かれているだけのものだ。

短く首を振る。

疲労感と虚無感が両肩に重かった。

……叔父の意見に異存はない。

『お前の父親は立派な人物であった、それに見合うべき葬送をする』

だが、新しい時代の風習や習慣を父に強≪し≫いるようで、芙代子は、喉≪のど≫の奥に刺さった魚の小骨のような違和感を拭≪ぬぐ≫い切≪き≫れないままだった。

この黒の喪服にしても、そうだ。

黒色は西洋の習慣だ、日本の喪の装いは古来〝白〝である——そう語っていた父の険しい顔が思い浮かぶ——。

明治天皇の御大葬の折り、海外からも多数の弔問客≪ちょうもんきゃく≫が訪れた。それら人々の服装はすべてが黒色であり、文明開化から五十年を経て、弔意は世界的には〝黒〝である、と、日本人は、はじめて気づいた。

『うむ、礼節を慮≪おもんばか≫ることは正しい。西洋の葬儀に参列する際には失礼なきよう黒を着用すればよろしかろう。しかして、日本人が日本のこの地において、黒色で死者を送ることは是正であるのか、西洋の上っ面≪うわっつら≫だけを真似て死者を送ることは、それは著≪いちじる≫しい冒瀆≪ぼうとく≫、なおもまた、国辱≪こくじょく≫となると思わんか』

父は、言うなれば〝古臭い人間〝であり、この時代、刻々と移り変わる慣わしに対して、常に、露骨に、眉≪まゆ≫を顰≪ひそ≫めていた。

この時代——大正二十年——かつて日本には存在していなっかた〝黒色の喪服〝も、かなり普及しつつある。だが、芙代子は着たくはなっかた。それが父への手向≪たむ≫けになると思っていた。

『ばかもの』

しかし、葬儀を仕切る叔父によって、あっさりと退けられてしまった。

『俵田家の面子というものがある。会葬者も多いのだ、明治時代そのままの古臭い葬送では笑われてしまうではないか。そればかりか、共同墓地にただ埋めるとも思われかねない。おまえの父親は、ちゃんと火葬にして埋葬する。火葬される遺体は、まだ全体の三割ほどと少ないわけだが、名士や名門はすべてそうしておるからな。二度の大震災を経て、帝都は今や生まれ変わった。新しい時代、新しい世界だ。俵田家もそうなる。喪服はもちろん黒色に決まっておろうが、女は余計なことを考えずに黙って従っておればよい』

西洋の文化が融け込む新時代——大正リベラリズム——いくらそう謳≪うた≫われていたところで、女性の立場は相変わらずだ。

家の附属物にすぎず、意見や意思などは、いとも簡単に無視されてしまう。

芙代子は、自分の心を投影しているかのような道路を見やった。

暗く、何もなく、冥府≪めいふ≫までも続いている。

実際に続いているのだ。明日、ここには、その世界へと柩を送る"霊柩車≪れいきゅしゃ≫"がやって来る。父の亡骸≪なきがら≫は、駕籠≪かご≫や輿≪みこし≫に乗せられるのではなく、自動車で運ばれることになるのだ。

車の速度に人間が併走できるわけもなかろうから、会葬者の葬列は、野辺送≪のべおく≫りは、おそらく、ないのだろう。

これからの時代、葬列なるものはなくなってしまうのだろうか。

父が生きていたなら、きっと、眉間に険しい皺≪しわ≫を寄せて、怒りとも嘆きともつかぬ言葉を……。

道路を見つめる芙代子こそが眉間に深い溝を刻んでいた。

「……っ!?」

瓦斯灯の輝きにぼんやりと照らされて、片貝木綿の単≪ひとえの≫着物が揺らめいている。

見慣れた恰好、あまりにも見知った輪郭であった。

「お……お父……さま……」

海中を進むかのような動きをして、二十五メートルほど前方を歩いている。

いや"十四間≪けん≫ほど先"と言い直すべきだろう。ちょうど十年前、大正十年に制定されたメートル法を父は嫌っていた。

「お、お待ちください」

尺貫法≪しゃっかんほう≫のほうがしっくりくる、と、そう語っていた人だ。

「お父さまっ」

もっと語ってほしい。

「ど、どちらへ」

叱≪しか≫ってもらうことでもいい。

「お父さ……」話したい、会いたい。

芙代子は知らず走り始めていた。

死んではいなかったのだ。現にすぐ前方を歩いている。見間違いであろうわけがない。

「い、逝≪い≫かないで」まだ、まだまだ自分の傍らにいてほしい。

走りながら腕を伸ばす。

しかし、どうしてか、近づいている感覚がなかった。

湿った風が芙代子の顔を叩き、じっとりとした闇が重い緞帳≪どんちょう≫となって喪服にまとわりつく。

もっと迅≪はや≫く、飛ぶように迅く。

「お父さ……っ」草履と地面との摩擦音だけが夜道に響く。

腕を精一杯に伸ばし、そして、父親に向かって芙代子は飛んでいた。

文字通りのことだ。

暗雲で覆われる闇空≪やみぞら≫へと喪服が高々と舞い上がる。

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【2011/08/31 19:05 】 | 資源發佈 | 有り難いご意見(0)
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